JP1-3 Judgeの「資質」:大前提③影響力の行使(1)

③影響力を適正に行使し、場合によっては敢えて行使しないことも選択できねばならない(1)

Judgeが猫界という極めて狭い趣味の世界ながら、あらゆる面において何らかの影響力を及ぼせる存在(資格)であることに異論はないでしょう。

その影響力を行使するために(もっと突き詰めて言えばその影響力を自分とその仲間内だけの欲を満たすためだけに行使するために)、Judgeを目指そうとするメンバーがいるならとんでもない話です。

前回論じた「良き導き手となれる人物でなければならない」とも通底しますが、Judgeは審査結果を通じてより良きブリーディングに導く影響力を持つほか、TICAのJudgeは必ずどこかのクラブに所属しなければならないわけですから、クラブ員に対してそれなりの影響力を持つことも疑いのない事実です。

Judgeがクラブオーナーやクラブ代表になる可能性があることを考慮すれば、その影響力の範囲は二重三重にかなり広範に及びます。

TICA Asia East Regionでは〝Judge至上主義〟的な前近代の身分制度を彷彿とさせる主張を繰り広げるメンバーもいて、JudgeでなければRegion Directorに相応しくないかのように喧伝する動きがあったように、JudgeがTICA RDやBoard Memberになる確率は必然的に高いわけです。

超一流のJudgeを目指すなら、それぞれの地位や役職における影響力を自覚し、常に適切に影響力を行使できなければならないと言えます。

例えばJudgeがクラブ代表も務めていれば、かなりの影響力を持ち、自分がクラブ代表を務めるクラブやそのクラブ主催のショーで自由に発言し、その影響力を行使できるわけですが、影響力を適正に行使する能力/場合によっては敢えて行使しないという選択能力に欠けると、Director選挙でRegionメンバーを誤導するような〝口先介入〟をしてしまうわけです。

司法や法律の世界では「刑罰の謙抑性」などと言ったり使ったりしますが、小さな趣味の世界でも影響力は謙抑的かつ適正に行使し、場合によっては敢えて行使しないことも選べる能力を持ち合わせていなければなりません。

Judgeとしての影響力を自覚せず、あるいは自覚した上で〝悪用〟するようなJudgeを養成しては腐った組織をますます腐らせるだけになってしまいます。

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TICAアジアリジョンの次世代を担うメンバーの学びのためのアカデミー